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企業見学ツアーひと工夫 県内企業と学生つなぐ

ヤマウラの社員から仕事の内容などの説明を受ける松本大学サッカー部の部員たち

 学生の県内への就職を推進・応援する信州学生U・Iターンプロジェクト(松本市波田)は県内の企業見学ツアーを活用し、新卒の採用を望む企業と、学生がともにメリットがより望める事業を始めた。13日は大学の運動部と合同で、部員が企業見学ツアーに参加することで企業からのスポンサー料金が運動部に寄付される取り組みを実施。19日からは一般学生を対象に参加するとバイト代が支払われる企業見学ツアーを行う。

 同プロジェクトは昨夏まで、都内の企業が手掛けていた。学生の帰省に合わせ、交通費を負担して県内企業を見学する「0円バス」を行っていたが、撤退したため、地元関係者が合同会社を立ち上げ、引き継いだ。
 運動部との合同ツアーは、松本大学(松本市)サッカー部と行った。2・3年生の部員39人がバスで松本市や長野市の3社を巡った。建設業のヤマウラ(駒ケ根市)は松本支店(松本市島立)を外から見た後、松本大学で支店の阿部雅茂さん(25)が大学運動部の経験が営業の仕事に生きていることなどを話した。
 キャプテンで総合経営学部3年の北野大和さん(20)は「県内に良い企業があることを知ることができた。部活動が忙しいので貴重な経験」と喜び、ヤマウラ総務人事部の早川正浩マネージャーは「学生と直接会う機会を持てて、ありがたい」と語った。
 同プロジェクトの岡田一也代表社員は「売り手市場が続き、各企業が独自に学生を集めることが難しい。学生にとっても地元企業の素晴らしさを知ることができる機会になる」と語る。
 「企業見学バイト」は2月中に3回開催し、すべて定員20人に達している。岡田代表社員は「春や夏の長期休みに毎日のように実施できるようになれば。県内に戻ってくる学生を増やしていきたい」と願っている。