政治・経済

安曇野市穂高北穂高の新産業団地 来年11月にも造成着手 進出企業の募集開始 要望に応じ面積・配置設定

新産業団地の開発候補地とその周辺

  安曇野市は今月、穂高北穂高に官民連携で開発を進めている新産業団地「北穂高産業団地(仮称)」に立地を希望する企業の募集を始めた。進出企業を決めてから造成して分譲販売するオーダーメード方式が特徴で、進出企業の要望に応じて区画面積や配置を設定する。早ければ令和8年11月の造成工事着手が見込まれている。

  青木花見産業団地と島新田工業団地の周辺に広がる農地約15ヘクタールが開発候補地で、6カ所に点在している。第1期開発として3月31日まで、最も広い約10ヘクタールの区画を中心に進出企業を募っている。
 対象としている企業は、県の「地域経済けん引事業計画」の承認見込みがあり、用地取得後5年以内に操業できる必要がある。新産業団地で廃棄物の収集や運搬、処理を行ったり大規模小売店舗を設置したりする場合などは応募できない。
 新産業団地は、地域高規格道路・松本糸魚川連絡道路(県道有明大町線―高瀬川右岸堤防道路)に隣接している。事業化されている市内新設区間の安曇野道路(約4キロ)が開くことで長野道と接続されるため、交通利便性がさらに高まる。
 企業立地に向けた市の補助制度も充実している。敷地面積9000平方メートル以上か建築面積3000平方メートル以上の製造業を対象に建築費用の20%(上限2億円)を補助する「特定工場立地事業」や、業種指定なしで用地取得費用の20%(同)を補助する「地域経済けん引企業工場用地取得事業」がある。この二つがある自治体は県内で他にないという。
 市は、建設業のヤマウラと土地活用のコンサルタントや設計を手掛けるd―ネクストと協定を結んで開発を進めている。4~5月に第1期整備計画を策定し、6~7月に地元説明会や庁内検討委員会を想定する。商工労政課は「地域経済をけん引していただける企業にエントリーしてもらえることを期待している」としている。