穂商生が育児調査 3歳未満児の家庭から本音が寄せられる

育児の大変さってどんなものだろう―。そんな思いから穂高商業高校(安曇野市)の3年生が本年度、3歳未満児・未就園児の家庭を対象にアンケート調査をした。170件の回答から見えた悩みの上位は睡眠、「イヤイヤ期」、食事に関すること。親たちの本音が数多く寄せられ、生徒たちは「苦労などを共有して気持ちを軽くしてほしい」と結果を公開している。
3年生の課題研究の一環で、子育て支援をテーマにした班10人が企画。昨年6~7月、市内の一部の保育施設、児童館を通じて用紙500枚を配布した。
育児の苦労に関する質問では、順位に応じた点数を付けて集計した。1位は「睡眠」(247点)、2位は「イヤイヤ期」(206点)、3位は「食事」(134点)で、全体の7割弱を占めた。自由記述では「一晩中立って抱っこして孤独でつらかった」など生の声が目立った。
児童館や一時預かりなどのサービスの評価にも踏み込んで尋ねた。休息できる喜びの声がある一方で、病児保育の拡充や利用手続きの簡素化、施設改修などの要望も複数あった。
企画した当初は選択式のアンケートを考えたが、仲間から「それでは実態が分からない。聞きにくいことも聞こう」という意見が出て記述式を導入。市や社協に助言を仰ぎ、封入や集計は手作業で行った。児童館の運営も手伝い、身をもって子育て支援の現場を学んだ。
市は、3歳未満児の家庭に対象を絞った同種のアンケートはしていない。市社会福祉協議会の丸山亨・穂高支所長は「子育て事情をクリアに映し出していて、行政全般の参考になる」と評価した。
生徒からは「イヤイヤ期がこんなに大変とは」「さらに良いサービス体制を整えてほしい」との声が聞かれた。リーダーの藤松心結さん(17)は「びっしりと書かれた回答もあってありがたかった。子育ては大変だと感じたが、それ以上にやりがいはあるはず。人生の中で挑戦したい」と話した。