物流業者が配送実験 木祖村 ドローン活用も

複数の物流事業者の荷物をまとめて1台のトラックで配送する物流網の構築を目指した実証実験が12日、木祖村で実施された。トラック配送が効率的ではない山間地には、小型無人機ドローンで配送した。人手不足などに対応しながら過疎地域での持続可能な物流網の構築を目指し、災害時には、構築したシステムを使って被災地に物資を届ける役割も担う。
実証実験は、信州名鉄運輸(本社・松本市)と阿南自動車(本社・諏訪市)が木曽郡外から持ち込んだ荷物を上松町の西濃運輸上松営業所でいったん集約し、同社のトラックが木祖村内に直送した。村内の「ラストワンマイル」の配送は佐川急便が担い、荷の一部はドローンを活用した。
ドローン物流を展開しているネクスト・デリバリー(山梨県北都留郡小菅村)が代表事業者となり、運輸部門の脱炭素化を目指す環境省の社会実装事業として取り組んだ。同社企画部の近藤建斗部長代理は▽大量の荷物を1カ所に集め、トラックなどの輸送手段を使って別の拠点までまとめて運ぶ「幹線輸送」の共同化▽ラストワンマイルの集約化▽ドローン配送による効率化―の3点を実証した実験は全国的に珍しいとし「木曽モデルが全国に向けた先駆けになれば」と話した。
物流大手セイノーホールディングス(岐阜県大垣市)子会社のセイノーラストワンマイル(東京)が共同実施者として参加し、佐川急便や県、木祖村が協力した。県木曽地域振興局の渡邉卓志局長は「持続可能な地域づくりに向けた第一歩。今後、有効に機能できれば」と期待した。
13日は王滝村で実証実験が行われる。