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筑北・坂井の安養寺 前住職の仏画を御朱印帳に

前住職・山口さんの仏画を添えて作った御朱印を見せる村越住職

 筑北村坂井の安養寺が、昨年9月に79歳で亡くなった前住職の故・山口勝人さんの仏画をあしらった御朱印帳と御朱印紙を作った。同寺では初の御朱印で、画家としても活躍し、30年余にわたり村内外の人たちに親しまれた山口さんをしのぶ。15日の涅槃会で御朱印紙の頒布も予定している。

 昨年秋から住職を兼任で引き継いだ長福寺(上田市)住職の村越深典さん(51)と、総代長の萬井俊樹さん(53)が中心となって企画した。引き継ぎ後は多忙な村越さんを総代たちがより積極的に支える形で寺の運営・維持に携わっており、新体制運営の一環として御朱印を作った。
 御朱印帳はB6サイズの蛇腹折り24山(両面48面)で、山口さんが描いた菩薩が表紙の表面に、柔和な笑顔の「微笑観音」が裏面にそれぞれ印刷されている。微笑観音は山口さんの生前最後の作品だ。御朱印紙は絵が印刷された大小2種類(菩薩=税込み1000円、微笑観音=同700円)と絵なし1種類(同300円)で、いずれも御朱印帳に貼れるサイズとなる。
 御朱印帳の初版は、同寺で昨年11月3日に営まれた山口さんの本葬で参列者に引き出物として配られた。今後は第2版の増刷を検討中で、行事などで1冊2000円で頒布する計画だ。村越さんは「山口前住職が築いた信頼と遺した作品が、安養寺の財産であり価値にもつながっている。歴史・記憶を紡いでいければ」と話す。
 15日の涅槃会では午前9時~正午に御朱印を受け付ける(うち10時~11時は法要を行う)。
 問い合わせは長福寺(電話0268・38・3029)へ。