巨大草履で疫病神退散 松本・両島でコトヨウカ行事

松本市両島で11日、松本地域の伝統行事・コトヨウカの一つ「両島のお八日念仏と足半」が行われた。集落を疫病神から守る巨大な足半草履を作って数珠を回し、足半草履を集落の外れに飾って今年一年の平穏を祈った。
地元の鎌田地区公民館に両島八日念仏足半草履保存会の会員や小学生などの約40人が集まり、稲わらで長さ約130センチ、幅約90センチの草履一組を編んだ。小学生も真剣な表情で縄ないを手伝い、鎌田小6年生の外山琥舶君(12)は「手が痛いけど楽しい」と話していた。
完成した草履を隣の両島公民館に運んで祭壇に仏画と共に飾り、車座になって念仏を唱えながら数珠と縄を回す「数珠回しと念仏講」を行った。念仏講の後、集落の南北の外れに立つ木に掛けられた古い草履を外し、新しい草履に掛け替えた。
大きな草履を飾ることで村に巨人がいると思わせ、疫病神が入ってくるのを防ぐ意味がある。江戸時代から360年以上続き、国の選択無形民俗文化財になっている。保存会の井口幸信会長(68)は参加者の多さを喜び、「子供たちも経験することで、大人になったときに参加してくれるのでは」と期待していた。