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疫病神を追い払え 松本で伝統行事「コトヨウカ」

わら馬を引きながら集落内を練り歩く子供たち(8日午前11時半ころ、入山辺上手町集落)

 一年の農事の始まりとされる「事八日」の8日、松本市入山辺や今井で伝統行事「コトヨウカ」が行われた。住民たちは昔ながらの風習を通じて、貧乏神や疫病神を追い払い、子供たちの健やかな成長や家族の無病息災などを願った。

 入山辺上手町集落では今年から、大勢が集まりやすいよう午前中に時間を変更して実施した。男衆が上手町公民館前でミズナラの枝を骨組みにしながら台車の上にわら馬を作り、「ジジ」「ババ」と呼ばれるわら人形2体を乗せた。その後、参加者が念仏を唱えてから、子供たちがわら馬を引いて集落を練り歩き、公民館の下方で焼いた。
 「貧乏神まくり出せ、風邪の神まくり出せ」と掛け声を上げて回った山辺小学校5年生の深井洋尋君(11)は「大事な伝統なので毎年参加して守っていきたい」と祈った。上手町町会長の古田政美さん(72)は「子供たちへの継承をこれからも大事にしたい」と話した。
 同日、入山辺舟付と厩所、今井下新田の各集落でも行われた。9日には入山辺中村集落、11日には両島町会で予定されている。