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塩尻・チロルの森 今春再開へ 4~11月営業 ワイナリー新設し収益化

昨夏のトライアル営業を経て、営業を拡大して復活するチロルの森

 令和2年11月に閉園し、昨年夏にトライアル営業をしていた塩尻市北小野のテーマパーク・チロルの森が今春から営業を再開することが5日、分かった。閉園前と同程度の4月中旬~11月上旬の営業となる見通し。自社ワイナリーなど新たな収益基盤事業を加えて再整備を目指す考えで、同日の市議会議員全員協議会で報告された。

 チロルの森の後利用については、1月に入って運営会社のワールドインテック(本社・福岡市)から市に計画概要の説明があったという。計画では、従来の公園事業に、新規でブドウほ場と自社ワイナリー整備、園内遊休地でブドウ栽培する上部空間を有効活用し発電する「ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)」の三つの収益基盤事業を実施する。
 今年春にブドウの苗木を定植し、9年秋にワイナリー設立と仕込みを目指している。完成したワインは園内で販売する考え。太陽光パネルの設置は岩手県陸前高田市の事例を参考にしていて、ブドウの雨よけトンネルとしても機能し、発電した電気は園内で利用するとともに県内企業に売電する。チロルの森開設準備室の山本尚人課長は「ブドウ栽培の学びと遊びを一緒に楽しんでいただける施設になる」と見込む。
 昨年7月27日~9月1日に実施したトライアル営業には想定を1万人上回る2万5000人以上が訪れ好調だった。この結果を受け運営会社が再開を決めた。市では園内に所有する5施設のうち「丘のレストラン」のエアコン設置や公衆トイレの洋式化など3件の改修工事を行う予定で、令和7年度当初予算に関連経費を計上する方針だ。市農政課は「共に盛り上げていく」としている。