松本市営駐車場のアイパーク伊勢町 利用台数が年々減少

松本市が中心市街地で運営する三つの市営駐車場のうち、アイパーク伊勢町(中央西)の年間利用台数が落ち込んでいる。Mウイング(中央)と東洋計器大手門(松本城大手門)は新型コロナウイルスの影響から回復したが、アイパークのみ令和5年度が前年度を下回った。2月末に道路向かいの松本パルコ(中央1)が閉店するため、さらなる落ち込みが懸念されている。
アイパークは平成10(1998)年に利用が始まり、7階8層の建物に206台を駐車できる。ピークの17年度は年29万4305台の利用があったが、30年度に20万台を割り、令和5年度は12万1016台で、前年を4504台下回った。
Mウイングと東洋計器大手門は2年度に新型コロナウイルスの影響で大きく落ち込んだが、翌年度以降は増加に転じた。Mウイングは同施設で開かれる講座の利用、東洋計器大手門は観光客の需要が回復したことが理由とみられる。
ただ、いずれの駐車場も利用台数は総じて低下傾向にある。市街地に民間のコインパーキングが増え、約2300台分を収容できる駐車場を備えた大型商業施設・イオンモール松本(中央4)が平成29年9月に開業した影響も考えられる。
市は中心市街地の再設計に取り組み、松本駅周辺から松本城周辺までの「中核エリア」の将来像を検討する市の諮問機関「中心市街地再設計検討会議」は、歩いて楽しめる「ウォーカブル」なまちづくりを提言する方向だ。中心街への車の流入を抑制する必要があり、駐車場の在り方そのものが今後の検討課題になる。
市営駐車場を管轄する市商工課の丸山克彦課長は「駐車場の用途・使用目的が変わってきている。中心市街地の市営駐車場がどうあるべきか、検討する時期にきている」と話している。