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穂高出身のサックス奏者 増井一喜さん 22日に公演 故郷への思い 音色に込め

地元で初めて開くリサイタルを楽しみにする増井さん

  安曇野市穂高有明出身のサックス奏者・増井一喜さん(24)=東京都在住=が22日午後2時から、松本市音楽文化ホール(島内)の小ホールで、独奏会を開く。地元で開催する初めての自主公演で、増井さんがクラシック音楽の世界に表現を追い求めている音色の魅力を伝える。

 穂高西中学校の吹奏楽部に入り、サックスを始めた。演奏意欲を喚起させられたのは、当時顧問が講師として招いたプロ奏者・林田和之さん=埼玉県=との出会いがきっかけだ。サイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)のサックスを担当するなどオーケストラや室内楽で活躍してきた林田さんの演奏に触れ「ジャズのイメージしかなかったサックスの音色の幅広さやその美しさに衝撃を受けた」と振り返る。
 林田さんが教員を務める尚美学園大学(埼玉県)に特待生として入学し、首席で卒業後、林田さんを師と仰ぎながら、演奏活動や音楽教室での指導に励む。新型コロナウイルス禍で活動が制約されてきた中でも、各地のコンクールで入賞経験を重ね、「大好きな故郷で舞台に立つ心の準備ができた」とリサイタルを企画した。「習い事や生涯学習としてニーズがあれば」と地元で指導機会を持ちたい思いもあり、活動の幅を広げていく契機にする。
 ピアノ奏者の佐藤茜さん=塩尻市=らゲストを迎え、アレクサンドル・グラズノフのサクソフォン協奏曲など5曲を披露する。
 増井さんは「サックスは人の声に最も近い音色を持つ。歌で感性を表すように、奏者や奏法によって個性的な音を表現できる楽器」と魅力を語りながら「歌を聴くように、気軽に気楽に親しんでほしい」と鑑賞と呼び掛けている。
 午後1時半開場。チケットは一般2000円、高校生以下1000円で、同ホールやミュージックプラザオグチ松本駅前店で取り扱う(当日券は500円増し)。
 問い合わせは増井さん(メールアドレスkzkmsi32@gmail.com)へ。