真剣勝負!競技かるた 塩尻で百人一首大会、節目の30回

塩尻市広丘原新田の原新田公民館で2日、「第30回短歌の里 百人一首大会」が開かれた。「近代短歌のふるさと」をうたう地域が続けてきた大会で、節目となる今回は「競技かるた」の部に級位の取得者を含む幼稚園児から社会人までの計38人が参加し、真剣勝負で札を取り合った。
読み札に対して取り札を相手より素早く取る競技で、相手より先に自陣の札がなくなれば「勝ち」だ。下の句が書かれた取り札100枚から25枚ずつを自陣に並べ、上級・中級・初級の実力別に1対1で向き合った。参加者は、緊張感の漂う中、記憶力を頼りに瞬時に札に手を伸ばしていた。
松本県ケ丘高校歌留多部1年生の飯澤咲弥乃さん(16)=塩尻市広丘吉田=は「慣れてくると取れるようになってきた。流れが自分に向いてきた時が楽しい」と話していた。
市と市教育委員会が主催し、塩尻短歌館、塩尻かるた会、塩尻短歌協力会の主管で行った。歌に親しむ機会をつくろうと、平成8(1996)年に始まり、新型コロナウイルス禍の影響で令和3、4年の中止を経て節目を迎えた。今回は「ちらし取り」の部は人数が集まらず中止になった。
大会副会長の西野稔・塩尻かるた会会長(68)=同市大門七区=は「記憶力を高め、戦略を考え、瞬発力の技能も必要で、スポーツ的な意味もある。いろんな人と対戦し交流もできる。大会はずっと続けていきたい」と話した。