通信指令新システム始動 松本広域消防局が開始式

松本地域の8市村を管轄する松本広域消防局(松本市渚1)は、119番通報を受けて出動の指示をする通信指令システムを更新し、30日、敷地内の渚消防署で運用開始式を開いた。関係者20人余りが出席し、新システムが住民の安心・安全向上に寄与することを願った。
指令室は本部の3階から4階に移り、ほとんどのシステムが昨年12月25日に切り替わった。火災現場などで文章や画像のやり取りができるタブレット端末19台を配備したほか、聴覚障害者が携帯電話の画面から通報できるようにした。AI(人工知能)によるSNS(交流サイト)などの情報収集・分析システム、通信指令員の指示で通報者がスマートフォンで撮影した映像の送信ができるシステムも導入した。
常時対応する職員は最低4人で、災害時には増員される。事業費は約11億6400万円。式ではシステム導入の経過報告・概要説明があったほか、通信指令室も見学した。
システムは10年更新が目安で、前回は平成26(2014)年3月だったことから全面的に更新した。同局通信指令課の二村勝彦課長は「これからも的確な指示で住民の安心安全を守る」と話し、県救急安心センター「#7119」の利用を促すとともに「異常を感じたら、ためらわず通報してほしい」と呼び掛けていた。