春節スタート 松本地方にも外国人観光客

中華圏の旧正月「春節」を迎え、松本地方にも海外からの観光客が訪れている。松本市の中心市街地に多くの外国人観光客が行き交うほどではないが、同日は国宝松本城の入場者数の4割以上がアジア圏からの観光客となるなど、冬場の国内観光客が少なくなるシーズンに松本地方ににぎわいをもたらしている。
29日に松本城へ入場した841人のうち、アジア圏からは347人、欧米圏からは132人だった。年間(令和6年)を通しては、欧米圏からがアジア圏よりも1・7倍多いことから、市松本城管理課の松岡由香課長は「春節の影響が出ているのでは」と分析する。
松本城で台湾からの団体客28人を案内していた添乗員の女性は「春節の休日を利用した5泊6日のツアー。岐阜県でそり遊びを楽しんで、白川郷を見学してから松本に来た」と話していた。シンガポールからカップルで訪れ、松本市内のホテルに3泊しているイップ・ヨンジェさん(35)は「松本は文化的で静かなところがいい。天守閣からの眺めもとてもよかった。これから市美術館で草間彌生さんの作品を見て、明日は(安曇野市の)大王わさび農場に行く予定」と松本平を満喫している様子だった。
松本城に近い大名町通りにある土産物店とそば店の「たかぎ」(松本市大手3)には午後3時までにアジア圏からの客は1組が訪れた程度だった。島村充社長(56)は「夕方になると、松本城でのプロジェクションマッピングに訪れた外国人観光客が来店することも多くなった。日中の人通りがもう少しあったら」と願っていた。