廃止の三郷堆肥センター 入札で不用な資機材を売却 最低価格を大幅に上回る
安曇野市が、市三郷堆肥センター(三郷小倉)の廃止で不用になった資機材10件を売却するために一般競争入札をしたところ、いずれも最低入札価格を大きく上回る額で買い手が付いたことが分かった。最低入札価格の総額518万2円に対して落札価格の総額は2倍の1015万6円だった。市は「不用になる市有財産を活用できた。財政の一助になった」としている。
作業車やダンプ、ホイルローダなどの車両が中心で、農業資機材の公売は市にとって初めてとされる。財産管理課の担当者は「実際どうなるか分からなかったが、農業の振興につながれば」と結果に胸をなで下ろす。
一般競争入札は県内で農業を営んでいる人を対象とし、今月22日に開札して落札者を決定した。車両の最低入札価格は業者の査定に基づいて決めた。最低入札価格が15万円だった農業作業車は6・7倍の101万円で、ホイルローダは最低入札価格より130万1円高い330万1円で落札された。「ただでいいから持っていってという状態」だったパイプハウスは、1円の最低入札価格に対して13万円にもなった。
同センターは三郷村時代の平成13(2001)年に完成し、畜産農家から受け入れたふん尿で有機肥料を製造して販売していた。20年が経過して施設が老朽化し、堆肥から発生する腐食性ガスの影響で劣化していた。抜本的な改修には大きな費用が掛かるため、昨年9月に閉鎖した。
施設の解体工事は2月上旬にも始まる見込みで、11月ころの完了を予定している。解体費用は4億2460万円となっている。農政課は「少しでも市の持ち出しを減らしたいという思いはある。(公売の)金額というよりも、農家に利活用してもらえるのでありがたい」としている。