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旧上田小 木の産業拠点に 木曽町 企業に譲渡 校舎活用へ 8年夏ころ稼働目指す

木の産業づくりの拠点として活用される方向の旧上田小校舎

 木曽町は、学校統合に伴い平成24(2012)年に閉校した旧上田小学校(新開)の空き校舎を、地場産材を使った高付加価値の合板製造・内装材加工の拠点として活用することを希望する町内の企業に、無償譲渡する方針だ。町は令和7年度に校舎を解体する方向だったが、企業側から利活用の相談があり、方針を転換した。校舎は今後、歴史ある建物の外観を生かしつつ改修されるという。

 校舎は昭和27(1952)年建築の管理棟、体育館などで構成され、延べ約2400平方㍍。無償譲渡の相手先企業は、大手ゼネコンの竹中工務店と塩尻市森林公社が共同出資した会社と、木材製品開発製造などの「TreetoGreen」(東京都)によって昨年9月に設立された会社・ツミカサネとなる。
 同社は譲渡を受け、4月から来年3月にかけて改修工事を行い、管理棟と体育館を内装材工場、給食棟を事務室・休憩室、校舎棟を資材倉庫などとして整備。令和8年夏ころの稼働を目指す。同社は塩尻市楢川地区と木曽町で、地場産材を使った高付加価値の合板製造を手掛ける計画で、旧上田小校舎はその後半の工程を担う拠点になる。
 町はこれまで、旧上田小校舎を解体し、令和10年開催の国民スポーツ大会の駐車場として使う方向だった。昨年春ころ、TreetoGreenから旧上田小校舎の利活用について相談があり、地場産材利活用と雇用創出の循環を生む「木の産業づくり」に向けて官民で協力することにしたという。
 町建設農林課の担当者は「地場産材の付加価値を高める拠点ができることは町としても心強い」と話している。
 校舎横にある桜の木はシンボルツリーとして残される予定だという。