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昨年の松本広域消防局管内 火災の死者、前年の2・5倍

 松本広域消防局管内(3市5村)で昨年1年間に起きた火災で亡くなった人が15人に上り、前年(6人)の2・5倍に達したことが28日、分かった。平成11(1999)年の過去最多(17人)に迫る死者数になる。負傷者も前年より24人多い33人を数え、消防局は防火対策の徹底をあらためて呼び掛けている。

 死者の7割が65歳以上の高齢者だったことから、同局は「足腰が弱った人が逃げ遅れて命を落としている」とみている。
 対策として、火災にいち早く気付ける住宅用火災警報器の設置と、逃げる時間を稼げる燃え広がりにくい加工がされたカーテンやパジャマなどの「防炎品」の使用を呼び掛けている。さらに、暖房器具の周辺に燃える物を置かないように注意を促している。
 消防局が同日発表した昨年の火災発生概要によると、火災の件数自体は120件で前年より17件減少した。種類別にみると、「建物火災」が前年より17件増え、68件と半数以上を占めた。一方で、例年建物火災と並んで火災発生件数が多く、下草火災などを含む「その他の火災」は前年より30件減り、33件だった。「車両火災」が17件、「林野」が2件だった。
 出火原因は、「たき火」が16件で最も多かった。誤給油などの「ストーブ」が7件、設備劣化などの「配線器具」と、野焼きの「火入れ」がそれぞれ6件で、前年より暖房器具が原因とみられる火災が増えた。
 火災による損害見積額は3億6823万で、建物火災が増えたことから前年より78%も増えた。