救援物資運搬 ドローンで 災害対策の実証実験 木曽南部3町村 住民に披露

小型無人機ドローンを活用した災害対策事業を行う木曽広域連合と木曽郡6町村は28日、災害時に孤立した地域へドローンで物資を届ける実証飛行を南部3町村で実施した。民間会社と連携して離着陸点や飛行ルートの調査・設定を済ませており、険しい山に囲まれた木曽で救援の選択肢の一つとして住民にお披露目した。
事業はドローンのルート構築や運行を手掛けるネクスト・デリバリー(山梨県北都留郡小菅村)と進めている。同社の現地調査を経て、郡内でドローンが離着陸可能な144地点の座標を取得。民家の上を極力避けるなどする飛行ルートを各町村に三つずつ設定し、災害時に運行ができる基盤を整えた。
上松町小川の台集落を配送対象としたデモ飛行では、市街地に近い施設・よろまいかから片道約4・6㌔を10分ほどかけて飛んだ。今回の機体は重さ5㌔まで運べ、目的地点に着陸すると非常食などが入った箱を下部から離して地面に置き、戻った。同社の山梨県の本社から遠隔で自動操縦した。
台は現在5世帯が暮らすという。住民代表で受け取った田中秀子さん(66)は「あっという間に受け取れ驚いた。もしものときはありがたい存在になると思う」と話した。
大桑村野尻の川向、南木曽町田立の大野正兼でも実施した。
同連合副連合長の大屋誠・上松町長は「今回をスタートと位置づけ、安全安心につなげられるよう住民の皆さんに周知や理解をお願いしていきたい」と見据えた。事業は県の地域発元気づくり支援金を活用する。
連合や6町村は実際の災害時の運行などを見据え、今回の他にドローンに関わる民間2社と協定を結んでいる。