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大工職人の技 生徒が感嘆 木祖中 授業で椅子作り 県・県建設労連 

職人の手ほどきを受けながら椅子を作る生徒たち

 大工職人に技術を学ぶ授業が27日、木祖村の木祖中学校であった。在来工法の木造建築を支える人材が減る中、若い世代の関心を高めようと、県と県建設労働組合連合会が県内各地の中学校で開催している。木曽建設労働組合に加盟する職人らが講師となり、鮮やかな手つきを見た生徒は「すごすぎる」と感嘆していた。

 1年生が授業を受けた。かんなやのこぎりの使い方を教わり、小さな椅子を作った。ねじ・くぎを使わずに木材を組み合わせる技法の手ほどきも受けた工藤愛斗さん(13)は、職人の技術の高さが実感できた様子で、「精密さが求められるすごい仕事」と感心しきりだった。
 県内の大工職人はこの40年間で3分の1の7000人ほどに減り、高齢化が進む。講師の一人となった、木曽建設労組の古畑正美組合長は「授業を通じて大工の世界の面白さに触れ、職業の選択肢に加えてもらえたら」と中学生に思いを託していた。