まちなか図書館役割考察 松本でトークイベント

松本市中央図書館(蟻ケ崎2)は24日、大手3の市立博物館で、中心市街地と図書館の関わりを考えるトークイベント「まちなか図書館を考える」を開いた。大型店の閉店が相次ぐ松本の中心市街地の中で、「まちなか図書館」がどんな役割を果たすべきなのか、塩尻市と札幌市の事例をベースに、全国の先進事例から考えた。
本を貸し出していないにもかかわらず年間約100万人が来館する札幌市図書・情報館の初代館長で、同市中央図書館調整担当部長の淺野隆夫さんと、塩尻市の市民交流センター・えんぱーくの元センター長で県図書館協会長、松本市図書館協議会長の伊東直登さんが講師を務めた。
伊東さんは、図書館と子育て支援センター、市民活動スペースの複合施設・えんぱーくは、年間40万人集める計画が実際は70万人が訪れているとし「いい図書館のある街に住みたいと松本から塩尻に来た学生もいた。図書館は移住の理由になる」と語った。「『合築』により『連携』が生まれ、『融合』が起きてより高い市民サービスを生む」と手応えを話した。2人による、新潟県長岡市の「互尊文庫」、岐阜県可児市の「無印良品カニミライブ図書館」などの先進事例の紹介もあった。
定員を大きく上回る100人が参加した。子供の読書をサポートする活動に携わる清水理恵さん(52)=松本市高宮2=は「図書館にあまり来ない人を呼び込むのに、融合という考え方は大切だと思った」と感心していた。