政治・経済

松本市の地域支援担当を倍増へ 地区またぐ課題に対応

会議で地域の課題について聞く地域支援担当の百瀬さん

 松本市は新年度、全35地区の地域づくりセンターを分担しながら巡回し、地域課題の掘り起こしや解決への取り組みを機動的に支援する「地域支援担当」職員を4人から8人に倍増する。地域の事業に活用できる補助金メニューも増やし、使い勝手をよくする。令和3年度に始まったセンター強化モデル事業で地域支援担当が橋渡し役となっての地域課題解決が進んでおり、取り組みを強化する。

 東山部、河西部など7ブロックに分けて1人1ブロックを担当し、全体集約を担う職員を1人置く。これまでと同様に、担当ブロックの各センター長や住民と情報交換し、避難所運営や移動支援など地区をまたぐ課題の対応で調整役を担う。公民館や福祉ひろばなどの地区担当者が集まる会議などにも出席し、部局横断的な支援にも取り組む。
 地域支援担当がこれまでに手掛けた事業は、少子高齢化に伴う町会同士の合併に向けた対応や、避難行動要支援者の町会加入の取り組み支援、地区をまたがる避難所運営委員会や未開催地区への支援など多岐にわたる。地域支援担当が所属する地域づくり課の甕国人課長は、「地域間の横のつながりの強化とともに地区と行政の距離を縮めている地域支援担当は、いろんなところのハブ機能を担うようになっている」と話す。
 市は、センター職員や地域支援の交付金を増やす3年限定のモデル事業を8地区で進めてきた。このうち4地区が昨年度で終了、残り4地区も本年度で終了する。機動的に動く地域支援担当の倍増は、効果の高いモデル事業が減退しないようにする狙いもある。
 中心市街地の深志中ブロックと中山、芳川、寿などの南部ブロックを受け持つ地域支援担当・百瀬朋章さん(61)は20日、福祉ひろば担当者や地域担当保健師、主任児童委員などが集まる第三地区の「支援企画会議」に出席し、人手不足で民生委員候補者の選出に苦慮しているなどの各町会の課題を共有した。百瀬さんは「他地域の取り組みも参考に、地域と力を合わせてよりよい方法を導き出したい」と話した。