塩尻・自動運転バス 運転席無人で公道走行 来月7日まで実証運行

塩尻市と市振興公社は23日、JR塩尻駅―市役所間の460メートルで、電気自動車のバス車両を用いた「自動運転レベル4(特定自動運行)」の実証運行をした。特定の条件下で運転手がいなくても一般公道を走行可能とするもので、一般公道の歩車混在空間でバス型車両で運転席無人としたレベル4は「全国初」だ。
9日付で県公安委員会に許可を受け、2月7日までの間の計8日間で1日3便の実証運行を行う。初日は事業関係者や報道関係者向けの試乗会を開いた。
事業主体の市振興公社が任命した「特定自動運行主任者」が車内前方の席に乗ってシステム監視を行った。信号交差点は3カ所あり、車両に搭載されたカメラが信号を認識した。カメラやセンサーは30個あり、位置や周囲の状況を把握する。自動運転システムには、振興公社の自営型テレワーク推進事業「KADO(カドー)」が作成に携わる高精度3次元地図が使われている。
試乗した百瀬敬市長は「技術革新の積み重ねで"地産地消型"のモビリティーサービスの大きな一歩。運転手不足など社会課題の解決にもつながれば」と話した。自動運転は市が来年度の実用化を目指し2年度から実証事業に取り組むが、安全確保など解決すべき課題があり、「まだまだ難しい。慎重に進める必要がある」(百瀬市長)。今回の実証結果を踏まえ、来年度以降の事業内容を検討していく方針だ。
一般公道での自動運転レベル4運行は、北海道上士幌町、松山市でも行われている。