御嶽の怖さと恵み 伝える 三岳小5年生 火山防災学習 強力・倉本さん 呼び掛け 警戒レベル引き上げ

御嶽山の噴火災害の教訓を伝えるビジターセンター・さとテラス三岳(木曽町三岳)で23日、地元の三岳小学校の5年生の授業があった。御嶽信仰の信者らの荷を背負う「強力」を半世紀近く務める倉本豊さん(68、同町日義)が講演。噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)に引き上げられている御嶽山の現状にも触れ「火山には怖さがあり、それと一緒に恵みがあることを忘れないで」と呼び掛けた。
自身が撮影した写真を中心に、御嶽山と歩んだ経験を紹介した。「どうしても上りたい」という91歳の信者を背負った思い出を語った倉本さんは「強力はみなさんの願いや気持ちも運ぶのが仕事」と話した。
通年で実施した火山防災学習の「まとめ編」だった。「すごい山だということが実感できた」と振り返った渡邊咲季さん(11)は「今後は防災準備の大切さをいろいろな人に伝えたい」と話していた。
授業に先立ち、名古屋大学や県などが同センター内に置く御嶽山火山研究施設の金幸隆特任准教授が、御嶽山の火山活動の現状を解説した。「山麓のスキー場や民家は警戒レベルの範囲からは十分な距離にあり、普通の生活をしてよい。ただし、常に情報を集め、正しく理解することが必要」と訴えていた。