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松本市、サイクリストに優しい宿を認定

多数の工具などがある自転車の整備スペースも備えた「サイクリストに優しい宿」(登攀小屋・岩雪沢)

 松本市は、観光や旅行をする人が自転車を気軽に利用できるように、設備などを充実させた宿泊施設15カ所を、「サイクリストに優しい宿」として認定した。自転車の客室持ち込みを可能にしたり、空気入れや修理用の工具などを用意したりした宿泊施設が対象で、市は自転車を活用した観光(サイクルツーリズム)の活性化につながると期待している。

 認定は▽自転車の客室持ち込みか屋根がある場所での保管▽3種類のバルブに対応した空気入れの貸し出し▽施設利用前後の荷物の一時預かり―などを要件に、昨年9月に募集を始めた。認定施設は市街地で4施設、乗鞍高原で7施設、市南部と浅間温泉、美ケ原温泉、奈川地区で各1施設になる。
 自転車のレース大会「乗鞍ヒルクライム」の開催や、電動アシスト付き自転車の貸し出しなど自転車活用が盛んな乗鞍高原エリアでは、工具の貸し出しや自転車用品の販売、整備スペースをすでに用意している施設があり、サービス内容が充実している。自転車愛好家の桃井素樹さん(64)=松本市安曇=が乗鞍高原で経営する宿泊施設「登攀小屋・岩雪沢」も認定を受けた。施設内の整備スペースには多数の工具があり、高原内で行われるレースに出場する選手が多く利用する。桃井さんは「設備の充実度によって観光客向けと、自転車競技に挑戦する人向けなど、認定基準を分けてはどうか」と要望していた。
 認定施設には専用の認定ロゴマークを提供するほか、市の公式ホームページ(HP)で施設一覧を公開し、PRしている。認定施設の応募は随時受け付けており、市自転車推進課の担当者は「市街地を中心にさらに認定施設が増えることで、自転車の観光活用につながれば」と話している。