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のぐちファーム 菊芋栽培に力 茶を商品化

のぐちファームが製造・販売している菊芋茶

  安曇野市穂高柏原の「のぐちファーム」が、健康食品として注目される菊芋の生産・販売に力を入れている。昨年は市内の小中学校の学校給食に提供したほか、12月にはオリジナル商品「菊芋茶」の販売を始めた。

 菊芋に豊富に含まれる水溶性食物繊維「イヌリン」は、血糖値の上昇を抑制する効果がある。早稲田大学の柴田重信名誉教授は「菊芋パウダーの摂取試験を行ったところ、朝に摂取すると、昼や夜の摂取より血糖値抑制の効果があった」と話す。
 市内の生産農家はまだ数人で、同ファームは4年前に始めた。春に種芋を植え、収穫期は12~3月。無農薬、無肥料で、現在は70アールの畑で年間1万4000キロを生産する。代表の野口雄貴さん(39)は「繁殖力が強く、栽培に手間がかからないのも魅力」と話す。
 ジャガイモと同様に土の中で実を付け、見た目はショウガにそっくり。皮のままスライスしてゴマ油で炒めたり、みそ汁の具や漬物にしたり、さまざまな食べ方ができる。
 菊芋茶はスライサーで薄切りにして乾燥させ、焙煎する。ほのかな甘みと香ばしさが特徴で、ティーバッグ(3グラム入り)20個入り1380円で販売している。昨年12月には市内の衣料・雑貨店で試飲会を開き、市民から「くせがなく子どもでも飲みやすい」と評判だった。
 昨年の2~3月には、スライスして乾燥させた菊芋を学校給食用に提供し、みそ汁、きんぴらの具材として活用された。子どもたちからは「おいしかった」と好評だったという。