政治・経済

旧松本市立博物館の解体着手 跡地は当面更地 活用検討

旧市立博物館(右奥)の解体工事現場

 松本市は今月、松本城公園(丸の内)にある旧市立博物館の解体に着手した。工期は10月末まで。取り壊し後の跡地は当面更地になる予定で、イベントなどでの活用も検討する。
 2月以降、アスベストなどの有害物質の除去を始め、建物本体の解体は6月以降を予定する。工事車両は公園南側の大名町通りから土橋を通って出入りする。土橋には車両の通行部に鉄板を敷き、仮囲いを設置するため、歩行者の通路幅は最小約2メートルまで狭まる。工事期間中は公園東側の太鼓門へ誘導する案内看板を松本城交差点付近と黒門付近の2カ所に設ける。総工費は約4億4500万円。
 旧館は鉄筋コンクリート造りの地下1階、地上2階建てで、昭和42(1967)年に完成した。令和3年3月に閉館し、5年10月に開館した新館(大手3)に役割を譲ったが、昨年2月からの「マツモト建築芸術祭」では主会場として活用された。
 旧館のある場所は国の史跡に指定されており、付近には城主の私邸の古山地御殿や、辰巳隅櫓があった。約1メートルの盛り土の上に建物があり、工事後は盛り土を削って元の高さにする。遺構保存のため、地面部の掘削やくい打ちはしない。
 臥雲義尚市長は21日の定例記者会見で跡地の利用について触れ、松本城公園がイベント会場として活用されたこれまでの例を示しながら、「具体的な事例を踏まえて(活用を)判断していきたい」と述べた。