松本市が24の確定申告会場を集約へ 電子申請普及に力 将来的に半減

松本市は、2月に始まる所得税と市県民税の確定申告の受付会場を、将来的に現在の24会場から半数ほどに集約する。インターネットを利用した電子申告(e―Tax)の増加が理由で、今年は試行的に、近接する岡田出張所を本郷支所に集約し、奈川支所とふれあいパーク乗鞍を安曇支所にまとめて21会場とする。県内の自治体でも集約化が進んでおり、市は「自宅で申告できる電子申告の利便性の高さをPRしていきたい」とする。
市内の申告受付会場は本庁舎、6支所、14出張所などがある。電子申告の普及で会場を訪れる人は年々減り、平成27(2015)年からの10年間で37・3%減少した。
一方、スマートフォンの普及で電子申請は増加傾向にあり、令和6年度の所得税の電子申請率は7割に上る。4年度に市独自のシステムで始めた市県民税の電子申請率は、6年度実績で全体の5・3%にとどまるが、今後は国のシステムが導入されるため、需要が伸びることが見込まれる。
県内では長野市が3年度に25会場から12会場に集約した。諏訪市や岡谷市、茅野市など諏訪地域は新型コロナウイルス感染症対策などを理由にいずれも本庁のみ1カ所に集約している。いずれも集約化に伴う目立った混乱はなかったという。
松本税務署は、確定申告会場を集約するふれあいパーク乗鞍、奈川支所、岡田出張所で「スマホ申告講習会」を順次開き、電子申告の普及拡大を図る。市市民税課の赤澤直徳課長は「電子申告は市民の利便性向上だけでなく、市職員の業務の負担軽減にもつながる。DX戦略の一環として集約化を進めたい」と話している。