政治・経済

安曇野市の入学準備金貸付制度 本年度に所得要件を緩和 借りやすく利用好調

  安曇野市が高校や大学などの入学に必要な資金の一部を貸し付けている「入学準備金貸付制度」で、市は本年度、保護者が利用しやすくするために所得要件を緩和した。子供2人世帯の場合は世帯合計所得額が「900万円以下」など、利用できる対象を広げつつ分かりやすくした。4月の入学を予定する生徒の保護者を対象に、3月25日まで申し込みを受け付けている。
 

  貸付限度額は、進学を予定する学校の種別などによって10万円から60万円まで設定されている。無利子で借りることができ、入学金や制服の購入費用など使途は問わない。
 貸し付けの対象になるのは、高校や大学などに進学を希望する生徒の保護者で、安曇野市に住民票があって居住しており、世帯合計所得額が基準額以下であることが条件。申請者が借り受ける額の3倍以上の年収があるなど、特定の要件を満たした連帯保証人を立てる必要がある。
 市が平成28(2016)年度に始めた独自の制度で、初年度の17件をピークに令和4年度は6件、5年度は3件と利用が低迷していた。所得要件が複雑で分かりにくく、世帯合計所得額が生活保護基準額の1・5倍を超えない世帯を対象にしていた。例えば、両親と小・中学生の子供2人の4人世帯が借家住まいの場合、基準額は353万円だった。
 本年度は所得要件の緩和が奏功し、17日時点で過去最多に並ぶ17件の申請がある。本年度一般会計の12月補正予算で1580万円を追加し、約40件分の予算を確保している。受験シーズンが本番を迎え、利用ニーズはさらに高まりそうだ。
 申請は受験前でもできるため、市は早めに申し込むよう呼び掛けている。
 学校教育課は「物価高の状況で需要はとてもあると考える。制度を改正したので、進学を諦めず将来に向かって進んでほしい」としている。