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高騰する野菜 スーパーや飲食店が売り方工夫

野菜15種類のセールを開催しているイオンスタイル松本

 昨年の猛暑や小雨による野菜の高騰が続いている。年末よりもやや値下がりしたとの声もあるが、松本市内のスーパーや食料品店ではキャベツ1個455円、白菜1個680円など、昨冬の2倍以上の値段で売られている。小売店や野菜を扱う飲食店では、客に野菜を少しでも届けようと苦労を重ねている。

 イオンリテール北陸信越カンパニーは17~20日、北信越5県のイオンなどで野菜15種類のセールを開催している。イオンモール松本(松本市中央4)内のイオンスタイル松本では17日、「野菜が安い!!」との看板が飾られた。ホウレンソウは前日まで278円(税抜き)で販売していたが、178円(同)に。キュウリは1本58円、ネギは1本98円と15種類が前日よりも1割~3割安い。ホウレンソウなどを購入した曽根茂代さん(83)=松本市埋橋1=は「ちらしでセールを知った。少しでも安い店で買っている」と話していた。
 産地の集荷先を増やし、まとまった量を取引することで価格を抑えたという。イオンスタイル松本の鵜飼一茂食品課長は「お客さまの購入する点数が昨冬よりも減っている。野菜をたくさん購入して、楽しい食事をしてもらいたい」と願っていた。キャベツと白菜は収穫量が少なく、セール品目に入っていない。中信ではイオン南松本店(松本市)、イオン豊科店(安曇野市)、イオン木曽福島店(木曽町)で開催している。
 飲食店のかつ玄(松本市大手4)では、とんかつなどに添えるキャベツの高騰が続き、悩まされているが、創業以来のおかわり自由の方針を貫く。キャベツはやや値下がりしたが、通常の倍以上の値段が続く。パセリは両手で持てるほどの量が3000円と、通常の10倍以上という驚きの値段だ。滝沢歩専務は「とんかつにキャベツとパセリは欠かせない。苦しいが、盛るキャベツの量は減らさず、キャベツもご飯もおかわりも自由です」と話している。