政治・経済

塩尻・ふるさと納税 本年度過去最多に  返礼品を充実 件数は2.2倍に

 塩尻市が受け入れているふるさと納税(ふるさと寄付)が本年度、金額、件数ともに過去最多となった。返礼品の充実が注目されたとみられ、年度末まで3カ月を残す昨年12月までですでに、前年度通年比で1・4倍の7億3782万円余が寄せられた。件数は1万5238件で同2・2倍に伸びた。市の財源確保だけでなく、知名度向上やイメージアップにつながっている。

 市は、寄付した人への返礼品の新規開拓に力を入れている。本年度だけで約200品目を投入し、約450品目になった。
 総務省が示す地場産品基準で「企画立案」に該当する返礼品が昨年秋、初めて加わった。ベビー・マタニティー用品の企画開発、販売のケラッタ(広丘野村)の製品で、4品目8種類を挙げる。
 返礼品に農産物を希望する人が増え、主力のプリンターに続く第二、第三の柱が育つ。12月までの件数の集計で全体の4割以上を占めたブドウは、従来のシャインマスカットにナガノパープルや巨峰などを加え、在庫を増やした。コメも在庫を潤沢にした。
 全国の返礼品情報をまとめ、寄付金の管理などを担うインターネットのサイトでは、返礼品で寄付先を探す人が多いとみられる。「プリンター」や「ブドウ」などのキーワードで検索した結果、示される品目に塩尻の産品が増えれば、あらゆる産品がそろう市だと印象付けられる。寄せられた寄付金は、返礼品の代金や経費を差し引いても、市の大きな財源となる。
 プリンターや時計、ワインなどが人気を集めてきた返礼品の品目を増やすことは、市が持つ資源の再考にもつながる。観光プロモーション課でふるさと納税を担当する髙砂進一郎さんは「全国で、塩尻の地域資源の価値が再認識される契機になっている」と話している。
 ふるさと納税は、愛着を持つ自治体に寄付をすると、住んでいる自治体の住民税などが軽減される。