千年の眠り 覚めたら死体!? 安曇野市職員でミステリー作家 麻根重次さん 小説第2作発売

安曇野市職員でミステリー作家の麻根重次(本名・幅拓哉)さん(38)の第2作『千年のフーダニット』(講談社)が16日、発売された。人間を冬眠状態にする「冷凍睡眠」(コールドスリープ)というSFの世界観を用いた奇想の小説となっている。
主人公を含む男女7人がそれぞれ殻状の冷凍睡眠装置に入る。1000年後に目覚めるとミイラ化した仲間の他殺体を発見。現場の巨大なシェルター内を調べると、もう一つ死体が見つかる。殺人者は誰か。閉ざされた空間になぜ8人目がいて死体なのか―。特殊設定の本格ミステリーだ。
麻根さんは信州大学理学部を卒業後、市役所に入庁。推理小説好きが高じ、32歳から仕事の傍ら執筆を始めた。昨年3月、信州を舞台にした『赤の女王の殺人』(講談社)で作家デビュー。2作目は、漫画家・手塚治虫の『火の鳥』に着想を得て約1カ月半で書き上げた。「1作目に比べると派手な設定で、フックの効いたあらすじだと思う。いろいろと想像を膨らませて読んでほしい」と話す。
四六判384ページ。税込み2200円。市立図書館にも月内に所蔵される。