政治・経済

生坂・山清路2号トンネルの掘削始まる

掘削口(左端)から約10メートル掘り進んだ山清路2号トンネル。天井や壁面を鉄骨や吹き付けコンクリートで補強しながら掘削する(16日)

 生坂村宇留賀区で、国道19号にバイパス道路を整備する「長野19号防災山清路地区」事業の「山清路2号トンネル(仮称)」掘削工事が6日に始まった。同事業で通す計2本の山岳トンネルの2本目で、会集落から古坂区へ向け北に全長約1090メートルのトンネルを掘る。民家にも近い現場で、国土交通省長野国道事務所(長野市)は周辺環境や騒音に配慮しながら工事を進める方針だ。

 工事を担う佐藤工業(本社・東京都)によると、16日現在で約10メートル掘り進んだ。掘削は発破や機械で行い、掘った箇所に速やかにアーチ状の鉄骨「鋼製支保工」を組み、吹き付けコンクリート、ロックボルトで岩盤を支えながら進め、覆工コンクリートなどで仕上げる。
 周辺住民の生活環境に配慮し、掘った岩や土の搬出には貫通済みの1号トンネルを活用し、国道19号を経由して大型ダンプで運ぶ。鷺ノ平と込地にそれぞれ設けた仮置き場へ運び入れ、土質を分析後に他事業などにも活用する。
 騒音対策として掘削口に防音ハウスを設け工事の作業音やモーター音を低減しているほか、火薬を使う発破も80メートル掘り進めた時点から開始とし、個々の爆破タイミングを意図的にずらす「制御発破」で騒音・振動を低減する方針だ。
 掘削を進める山の地質は「部分的にもろい箇所がある」と推定されるが「大きな断層や破砕帯はなく特殊な工法が必要な難易度の工事ではない」と判断しており、長野国道事務所の小松輝男副所長は「地域住民に迷惑が掛からないよう、安全・迅速に作業を進めていきたい」と話している。