松本市乗鞍の小水力発電計画 事業者応募なく見直しか
環境省の「脱炭素先行地域」に選ばれた松本市安曇の乗鞍地域で計画している民間主体の小水力発電事業について、市は14日、参入する事業者が現れなかった場合に備え、代替案として太陽光発電の導入を検討するよう環境省から指示を受けたと明らかにした。市は引き続き小水力発電事業者の公募を進めているが、手を挙げる事業者が出なければ「小水力発電によるエネルギー自治」は大きな見直しを迫られることになる。
国から指示があったのは昨年12月18日。今月20日までに、小水力発電の導入に向けた詳細スケジュールなどとともに太陽光発電導入の検討状況を国へ報告するよう求められている。市はこれまで進めてきた乗鞍地域内での自家消費型太陽光発電の導入などを続けつつ、地域外での太陽光発電設備の設置や、松本クリーンセンター(島内)の余剰電力など市内で生産された再生エネルギーの活用も視野に代替案を検討している。
小水力発電の事業者は来月末までプロポーザル方式で公募しているが、令和9年度までという工期の短さがネックとなり、事業者が見つかる見通しは立っていない。14日の市議会建設環境委員協議会で報告があった。
市環境・地域エネルギー課は「足りない再生エネルギーを他地域から融通することになり、考え方が大きく変わることになる」としていて、住民への理解を求めていく方針だ。