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厄よけ縁日 平安願う 各地の寺社に多くの参拝者

牛の像をなでて、家族の健康を祈願する参拝者(松本市の牛伏寺)

  中信地域の寺院や神社で12日と13日を中心に、厄よけ行事が行われている。12日には、国内外の世相が不安定な中、多くの家族連れが祈とうを受けに訪れ、1年の平安と健康、家内安全を願った。
 

松本市内田の牛伏寺では厄除縁日大祭が行われ、朝から多くの人が参道を上って境内に向かっていた。参拝者は参道にある2頭の牛の像の頭や背中などをなでて、御利益を願った。松本市内田の鈴木静枝さん(48)は長女で明善小学校1年生の彩夏さん(7)と一緒に参拝した。自宅から40分ほどかけて坂道を歩いてきたといい、「家族の健康が第一。大きな病気やけががなく、1年を楽しく過ごせるように願った」と話していた。
 同市蟻ケ崎の放光寺の厄除観音大縁日にも、早朝から多くの人が訪れた。近くに住む鎌倉伸子さん(57)は、孫の甲斐稜心君(8)らと祈とうに訪れた。鎌倉さんは「昨年はいろいろあったので今年は穏やかに健康に過ごせれば」と話していた。12日が誕生日という甲斐君は「頭が良くなりますように」とお願いしていた。越場達祐住職は「人出は新型コロナ禍前くらいまで戻ってきた。平穏を願う人が多かった」と話していた。
 朝日村古見の古川寺の厄除観音縁日は12日から15日まで行われている。初日は家族連れが白い息を吐きながら続々と訪れ、観音堂で笠原弘観住職による大護摩祈とうが営まれた。参拝客は神妙な表情で読経に聴き入り、赤々と燃える炎の中に護摩木をくべて手を合わせた。家族3人で祈とうを受けた安曇野市三郷温の看護師・松田優作さん(42)は「昨年は身内の不幸など大変なことが結構あった。今年は皆が健康に過ごすことができれば」と願っていた。