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子供たちが歌って「鳥追い」 松本市和田町町会の小正月行事

鳥追いの歌を歌いながら地域を歩く子供

 松本市和田の和田町町会で11日、子供の小正月行事「鳥追い」が行われた。地元の芝沢小学校4~6年生10人が「きょうは誰の鳥追いだ」「ホンガラホイ、ホンガラホイ」と歌い、地域を巡った。

 鳥追いには、農作物に被害をもたらす鳥を追い払う意味があるという。リヤカーに載せた太鼓で拍子を取り、かねも鳴らしてにぎやかに歩いた。2班に分かれて希望があった約80軒を全て回って「福の神」を招き、お駄賃をもらった。
 鳥追い行事はかつて広範囲で行われたが、今も続ける地域は少ないという。和田町町会も新型コロナウイルス禍で3年ほど休止を余儀なくされて存続が危ぶまれたが、昔からの住民に行事のいわれや歌の節回しを教わり、昨年復活させた。
 6年生の宮原作登君(11)は「頑張って声を出したい」と話し、福澤賢一町会長(72)は「伝統を大事にしていってもらいたい」と願った。子供を迎え入れた三溝好子さん(95)は「自分の子供が鳥追いに参加していたころを思い出す。懐かしい。元気をもらった」と喜んでいた。