伝統の凍り餅作り最盛期 ビフ穂高 4月下旬店頭に

安曇野市穂高有明の農産物加工直売施設・Vif(ビフ)穂高で、伝統の保存食・凍り餅作りが行われている。作り手たちは、凍り餅の出来を左右するという「厳しい寒さ」を期待して、加工した餅を軒下につり下げる作業に追われている。
ビフ穂高では、地元産のもち米・もちひかりを使っている。まずはふかした米をつき、厚さ1・5センチ、長さ8・5センチ、幅3・5センチに切り分ける。和紙で一つずつ包み、10個を一連にしてひもでくくり、水に2日間浸す。そして、軒下につるす。
今年は米90キロ分、2640個を作る。5日に作業を始め、9日につるし終える予定だ。20年ほど作業に携わる二木仁美さん(64)は「以前は大寒(1月20日ころ)に作業を始めていた。温暖化の影響か、最近は大寒のころは冷え込みが足りず、早めに始めるようになった」と説明する。
凍り餅は朝晩の厳しい寒さ、それが日中に緩むことを繰り返し、乾燥してサクサクとした食感に仕上がる。気温が高いとカビることもある。
かつては多くの家庭で作り、軒下につるすのが風物詩だったが、最近はそんな光景もほとんど見られなくなった。ビフ穂高の生産量も15年前に比べると半減したが、根強いファンも多いそうだ。3月上旬まで軒下で乾燥させ、4月下旬に店頭に並ぶ。