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阪神大震災から30年 被災地舞台の映画、12、26日にまつもと市民芸術館で上映

「その街のこども」より(c2010NHK)

 阪神淡路大震災から17日で30年となるのに合わせて、松本市のまつもと市民芸術館で12日と26日、被災地の神戸を舞台に描かれた映画の上映会が開かれる。NPO法人松本シネマセレクトが記憶を風化させてはいけない―と企画した。セレクトの宮嵜善文理事長(63)も発生当時、現地にボランティアに駆けつけた一人で、被災地に思いを寄せる大切さを説いている。
 12日に「その街のこども」を、26日に「港に灯がともる」を上映する。「その街―」は大震災から15年目の平成22(2010)年にNHKで放送されたドラマを再編集した劇場版だ。実際に震災を体験した俳優の森山未來さんと佐藤江梨子さんが主演を務め、子供時代に被災した若者の語ることのできなかった思いを描き出す。「港に―」は大震災の翌月、神戸で生まれた在日韓国人の女性が主人公。震災の影響が家族の暮らしに及ぶ中、高校卒業から12年間の葛藤と模索の日々をつづる。
 宮嵜理事長は大震災が発生した平成7(1995)年の1月下旬から現地にボランティアに入った。リュックサックに支援物資を詰めて夜行列車に乗り、神戸市内の小学校で避難所運営をしたり個人宅で片付けを手伝ったりしたという。30年の節目に「被災者が求めるものはそれぞれ違い、傾聴の難しさと大切さを感じた。被災地を孤独にしてはいけない。寄り添わなければならない」と話している。
 入場料や前売り券の情報はセレクトのホームページか電話(℡0263・98・4928)へ。