ひきこもりの「出口」支援へ 安曇野のNPOグランド・リッシュ 情報、社会との接点提供

社会生活に困難を抱える子供や若者の支援を手掛けるNPO法人グランド・リッシュ(安曇野市明科中川手)が、ひきこもりや病気、休職などで社会的活動量が低下している人の「出口支援」の仕組みをつくろうと、準備を進めている。社会的活動量が低下する理由はさまざまだが、制度のはざまにいるケースが多く、公的な支援制度やサービスがないのが現状という。関係機関や専門家の意見を募り、持続可能な体制の構築を目指す。
構想では、気軽に通えて安心して過ごせる「居場所」を設ける。本人のペースと意欲に応じて段階的なカリキュラムを提供し、家庭や個人では得られない情報や人とのつながりを得るサポートをする。買い物代行やIT関連の在宅業務、農作業の手伝いなど、地域のニーズや困り事と結び付け、本人が「社会に参加、貢献できている」と実感する姿を「出口」と位置づける。
休眠預金を活用した国の助成金事業で本年度は「第一段階」の採択を受けており、令和7年度の本採択を目指す。本年度は準備期間として松本市で定期相談会を行い、これまでに20家族から主にひきこもり関係の相談を受けた。「当事者だけでなく家族も含め社会から孤立化している」現状が改めて分かったという。
グランド・リッシュの若林美輪理事長は「当事者や家族の声を聞くにつれ『すぐやらなくては』という思いが強くなる」と、出口支援の必要性を語る。「人と関わっていく喜びを感じてもらえるようにしたい。幅広い方の意見を聞き、よりよいサポートの方法を考えていきたい」と話している。
1月15日、2月15日、3月19日に松本市芳野のなんなんひろば(松南地区公民館)で相談会を開く。時間はいずれも午後1~4時で予約は要らない。問い合わせは法人のホームページ(http://gland‐riche.com)へ。