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学校給食に歌で感謝 生坂小「みんなのランチタイム」復活

吉山教諭(左端)が編曲した「みんなのランチタイム」の楽譜を手にする児童

 生坂村の生坂小学校で以前、学校給食に感謝する歌として作られたオリジナル曲「みんなのランチタイム」が、ピアノ伴奏付きの曲として復活した。10年ほど前から地元生産者や学校給食センターの職員に感謝し交流会などで児童たちが歌い継いできたが、新型コロナウイルス禍で断絶。今秋、校内に1枚だけ残っていた楽曲CDを頼りに楽譜化した。児童たちは明るく元気な楽曲を気に入り、同小は歌が再び定着するよう期待する。

 歌詞は、給食センターが作ったカレーやご飯、みそ汁などの給食をおいしく食べる内容。洗った牛乳瓶を望遠鏡のようにのぞく無邪気な姿も交えつつ、生産者らに感謝し「ほかほかおいしい給食を村のみなさんありがとう」「笑顔で残さず食べようね」と歌う。
 同小によると、平成26(2014)年当時の小学4年生が担任教諭の指導で作詞作曲したとされる。CDには、教諭の演奏とみられるギターの音色とともに歌う元気いっぱいの歌声が響く。コロナ禍前の令和元年ころまで歌われ歌詞は残っていたが音源が見つからず、当時1年生だった6年生も覚えていなかった。
 当時を知る学校給食センターの職員や生産者が「あの曲いい歌だったね」と懐かしんでいたことから、音楽専科の吉山美穂教諭が今秋に校内を探し音源を発見。ピアノで演奏できるよう編曲した。
 昨年12月2日の生産者交流会で、全校児童65人が来校した生産者らに歌声を披露したところ好評で、うれし涙を流す人もいたという。同校栄養教諭の宮川梓さんは「普段から『給食を食べて元気に』と願って作っている。楽しそうに歌う子供たちの姿に涙が出た」と語る。
 3年生の堀内優杏さん(9)は「歌っているとご飯をおいしく食べた気持ちになれる」と笑う。吉山教諭は「子供たちに気に入ってもらえてうれしい。先輩たちの歌を歌い継いでもらえれば」と願った。