地域の話題

穂高のアイダエナジー GSで廃食用油を回収へ バイオディーゼル燃料に再生

食用油回収の協力を呼び掛ける会田社長

  安曇野市穂高のアイダエナジー(会田恵司社長)は2月1日、運営するガソリンスタンド(GS)6事業所で廃食用油の回収を始める。「油~トピアプロジェクト」と銘打ち、油はバイオディーゼル燃料へ再生する。市は令和5年、脱炭素社会の実現を目指す「ゼロカーボンシティ宣言」をしており、民間サイドから脱炭素を後押しする。

  同市の4GS、松本市梓川、松川村の各1GSで回収する。対象は植物性油で、ごみなど固形物を取り除き、ペットボトルに入れた状態で引き取る。ラードなど動物性油は対象外。回収した油は、塩尻市の業者が再資源化し、ディーゼル車の燃料として使われる。
 同社は各GSに「回収中!廃食用油」と書いたのぼりを掲げ、「給油の際に気軽に持ち込みを」と呼び掛ける。会田社長は「化石燃料を販売する当社が、脱炭素に取り組むのは当然のこと。現状は食用油の9割が廃棄されており、コンビニ、ショッピングセンターなど地域全体に回収の動きが広がってほしい」と期待する。
 30日に同社のGSを訪れた農業・松澤秀亮さん(38)=穂高=は「食用油は固形にして廃棄しているが、これからはガソリンの給油に合わせて持ってきたい」と話していた。
 市は平成20(2008)年から、市役所本庁、各支所などで廃食用油を回収している。千葉県では今月、複数の大手企業が県と連携し、食用油を航空燃料へ再生して成田空港へ供給する取り組みが動き出すなど、全国的にも資源循環の取り組みが広がっている。