木曽署 人身交通事故43件 11件増 昨年 19号で7割弱 死者1人

 木曽警察署は、管内で昨年1年間に起きた交通事故の発生状況をまとめた。人身事故は43件(速報値)で前年より11件増えた。近年は発生数が減少傾向で、特にここ数年は30件前後と低く推移していただけに、数値が逆戻りすることのないよう同署は引き続き事故抑止に力を注ぐ。

 事故による死者は1人(前年比1人増)、けが人は60人(同14人増)だった。このうち重傷者は8人いた。事故の原因は安全確認の不徹底が最も多く、34件。飲酒絡みの事故が2件あった。
 人身事故全体の67・4%を占める29件が、木曽を南北に貫く幹線道路・国道19号で起きた。町村別の事故件数は、木曽町22件、南木曽町7件、木祖村と大桑村が5件、上松町4件で、王滝村はなかった。
 死亡事故は昨年7月、木曽町新開のダム湖に乗用車が転落し、運転していた20代の女性が亡くなった。統計上は数えないものの、木曽町の国道361号で起きたオートバイの単独事故では、運転していた人が病院搬送後に回復せず死亡した。
 同署の小出友秋地域・交通課長は、事故数の増加について原因は分からないものの、交通環境は「新型コロナウイルス禍で自粛傾向だった人の流れが戻りつつある」とみて警戒する。「取り締まりの強化や安全啓発などに引き続き力を入れ、もう一度事故数を減少させていきたい」と話している。