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山で年越し、準備万全に 北ア南部に相談所2カ所開設

登山者(右)に安全を呼び掛ける松本署の救助隊員

 年末年始に北アルプスへ入山する人に安全を呼び掛ける登山相談所が28日、県道上高地公園線の釜トンネル前(松本市安曇)と県道槍ヶ岳矢村線の宮城ゲート付近(安曇野市穂高有明)に開設された。冬山に入る登山者に万全の装備で計画的に行動するよう助言している。

 釜トンネル前の中の湯登山相談所は31日まで設け、松本警察署や北アルプス南部地区山岳遭難防止対策協会の救助隊員など5人が詰める。28日は午前9時の開設直後から多くの人が入山し、隊員らが登山者の装備や登山計画書の提出を確認した。外国人旅行客も多く、スーツケースを引いて訪れた人もいた。
 京都市から日帰りで訪れた会社員の大滝剛司さん(42)は「晴れ間がのぞき穂高連峰が見えるといい。なだれに気を付けて無事に帰りたい」と話していた。
 宮城ゲート付近の相談所は30日まで設置する。
 県内では今年、22日現在で317件の山岳遭難が発生し、昨年1年間の302件をすでに上回り、過去最多を更新している。インターネットで情報を得た人が、装備や知識が不足したまま入山して遭難するケースもあるという。松本署山岳遭難救助隊の水口佳祐主任(37)は「直近数年に比べると今年は雪が多い。新雪なだれや、深い雪による体力の消耗に注意して」と呼び掛けていた。