伝統の豆糀 仕込み始まる 木曽町の小池糀店 しょうゆ豆の原料

木曽地域の伝統発酵食品「しょうゆ豆」の原料となる「豆糀」の今冬最初の仕込みが、木曽町福島の小池糀店で始まっている。昔ながらの製法で完成まで3日かける。徹夜で何度も状態を確認し、温度を調整する。
いった大豆を蒸して麹をまぶし、「諸ぶた」と呼ぶ木箱の中で菌を増殖させる。十分に菌が増殖した豆は、純白の衣を着たようになる。完成した豆糀を購入し、各家庭でぬるま湯に浸して一晩置き、塩を加えて数日かけて発酵させるとしょうゆ豆になる。ご飯に混ぜたり餅に付けたりして食べる。酒にも合う。
仕込みは18日に始まった。同店の唐沢尚之社長(53)は「冷え込みが弱く、例年よりも10日ほど遅れてようやく始められた」と安ど。「楽しみにしてくれている人がいる。手の掛かる仕事だが、食文化を守るためにも続けなければ」と老舗店の心意気を語る。仕込みは2月までを予定する。
購入には予約が必要。次回は1月中旬に作る予定で「予約は10日までに」とする。問い合わせは小池糀店(電話0264・22・2409)へ。