塩尻・県畜産試験場の牛乳 東海酪連の乳質表彰で特別賞

塩尻市片丘の県畜産試験場は、東海酪農業協同組合連合会(東海酪連)が主催する「第14回乳質表彰」で特別賞を受けた。試験研究の一環で約60頭のホルスタイン種の乳牛を飼っている。生産している牛乳の質の高さが評価され、一般の酪農家とは別枠の受賞となった。牛の健康を守り、衛生的な搾乳を続けていることが評価につながった。
昨年度に生産した牛乳が評価の対象となった。数値が高いほど優れている乳脂肪分や、低いほどいい細菌数など5項目の評価基準があり、いずれも好成績だった。試験場の受賞は、平成30(2018)年度の検査実績を対象とした表彰以来、2回目となった。
試験場で飼っている乳牛はさまざまな試験研究の対象だが、得られる牛乳は出荷・市販されている。搾乳されているのは約30頭で、同年度は32万2655キロを出荷した。搾乳は、職員や試験場併設の県農業大学校の学生の合わせて約20人が交代で、丁寧に作業している。検査は月に3回、出荷段階で行われている。
長野、愛知、三重、岐阜の4県を管内とする東海酪連の乳質表彰は酪農家を対象にしているが、県施設や学校など公共施設が優秀な成績だった場合は、特別賞を設けている。第14回ではほかに、10件の酪農家や企業が表彰された。
試験場には、出荷するからには高品質の牛乳をという思いがある。酪農肉用牛部の中島純子部長は「公共機関として、農家の手本にならなければと考えている。評価していただけてうれしいし、職員の励みになる」と話している。