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塩尻市の観光客、年間100万人超 奈良井宿・高ボッチが堅調

 塩尻市内の観光地への入り込みが、好調に推移している。2カ所で全体の7割以上を占める奈良井宿、高ボッチが堅調で、市のまとめだと今年は、統計がまとまっている10月までの市全体で102万2000人となり、3年連続で100万人の大台を超えた。現在の調査地点となった平成30(2018)年以降で、最多となる可能性もある。

 奈良井宿の入り込みは10月までに、44万6700人だった。外国からの観光客が増えている一方、伝統的に多かった団体旅行に以前ほどの勢いがない。
 ただ、地域内での観光消費額は、年間で60万人前後が訪れていた平成の後期と同水準を保っている。飲食店の入店待ちが減るなど、入り込みの若干の減少で「質の高い観光」を目指せるとの声もある。
 高ボッチは新型コロナウイルス禍の中で「密を避けられる観光地」として注目された。アウトドアブームの中で、令和3年にキャンプ場が整備され、訪れる人が増えた。市のSNSアカウントでは、景色の写真が「映える」として注目度が高い。10月までに31万8200人が訪れている。
 市観光プロモーション課の担当者は奈良井宿を念頭に「外国からの観光客向けに、SNSでPRするなど力を入れる余地がある」とみる。市内全体で観光消費額を増やし、滞在時間を延ばす手だてを探っていく考えだ。
 市全体の年間入り込みは、コロナ禍に見舞われていた令和2年に48万5100人にまで落ち込んだ。統計の対称を▽奈良井宿▽木曽平沢▽高ボッチ▽平出遺跡▽みどり湖▽チロルの森―とした平成30年の入り込みは114万4800人だった。