安曇野に「背中を押してくれる本」見つかる書店 民家を改修、週3日開店
安曇野市豊科南穂高に、民家を改修した小さな書店がある。田園風景が周辺に広がる住宅地に、今夏開店した「Green Bench Books(グリーン・ベンチ・ブックス)」。店の扉を開くと「人生を後押ししてくれる一冊」と出合えるかもしれない。
横浜市出身の中村良太さん(43)が経営し、木・土・日曜の週3日開店する。旅や料理、心などをテーマにした約400冊が店内に並ぶ。小説は少ない。中村さんの感性で「個人が社会で生きていく上で、後押ししてくれそうな本」を選んだ。絵本はすべて妻が実際に読んで厳選した。
中村さんは介護職などを経て9年前に旅に出た。アジア諸国の後、国内を放浪し、鳥取県湯梨浜町の湖のほとりで、不思議な書店「汽水空港」と出合った。手作りで改装した小屋のような店。2階では、こたつで寝転んで本が読める。「商売の空気をまったく感じず、こういう本屋もあるんだなと思った」
結婚を機に長野市へ。書店を開くために4年前、「人も環境も合った」という安曇野市に移った。民家を見つけて知人と一緒に改装し、約30平方メートルの書店を7月下旬にオープンした。7席のカフェスペースがあり、ドリンクを飲みながら本が読める。中村さん一推しは、インドへの紀行本『ラダックの星』(中村安希著・潮出版社)で、これまでに3冊売れた。
本は1000冊に増やし、もっと雑然とした店にしたいという。「経営的には本を買ってほしいが、買わなくてもいいので気軽に立ち寄ってもらえる本屋にしたい」と来店を呼び掛ける。営業時間は午前11時~午後5時。問い合わせは同店のインスタグラム(@Greenbenchbooks)へ。