サウナであおぎ手品披露 木祖村の熱波師・柳栄紀さん 初出場の熱波甲子園で準V

サウナでタオルを振って客に風を送る「熱波師」の柳栄紀さん(42、通称ヤギさん)=木祖村=が、全国の熱波師が技術を競った「熱波甲子園」で準優勝した。4種目のうち、タオルの風の強さを競った競技では大会最大スコアを記録し、初出場で"風速日本一"の称号も手にした。
大会は10月に横浜市で開かれ、計26のチームと個人が出場した。「風速」の種目では、審査員が持つ風力計に向かって3回タオルを振り、記録された風速の合計が得点になった。「ペットボトル倒し」は、10本の水入りペットボトルをタオルであおぎ、風圧や方向決めに繊細な調整が求められた。
「演舞」はサウナ室でのおもてなしの技術が審査された。マジシャンの肩書も持つ柳さんは、サウナ室に持ち込んだ20センチほどの小さい紙袋から2メートル近い巨大ストローを取り出す手品を披露。タオルの縦じま模様がいつしか横じまに変わるという2段階の展開で驚きを与えた。「熱ッスル」は熱波師2人が向き合い、制限時間合計8分の中でひたすらお互いをあおぎ続けた。柳さんは「過酷を極めた。熱くて何をしゃべったか覚えていない。技術よりも気合だった」と振り返る。
友人が木曽町内で始めたサウナを盛り上げようと熱波師となり、2年前に本格デビューした。県内の入浴施設でサービスに立つ柳さんは「全国準Vの肩書は熱波師の普及のために有効に活用できる。地元の皆さんがこれまで受けていた風は『全国に通用する風だった』と喜んでもらえれば」と話している。