全国博物館大会が開幕 松本市で初 文化観光との関わり議論

第72回全国博物館大会(日本博物館協会主催)が27日、松本市のまつもと市民芸術館を主会場に開幕した。全国の関係者が一堂に集い博物館の在り方を学び合う大会で、県内開催は54年ぶり、市内では初めて。各地の博物館や美術館、大学、関係企業などから約500人が参加し、改正博物館法に明記された文化観光と博物館との関わりを主題に議論を深めている。29日まで。
新潟市歴史博物館の坂井秀弥館長が基調講演をした。文化財活用による経済効果の再投資で文化振興を目指す時流に言及。文化財の価値を的確に周知するためにも「調査研究を担う専門的人材の確保、育成は不可欠。指定管理の切り替えなどで学芸部門が継承・連続していかない問題があるが、成果を地域に蓄積しなければならない」と述べた。
パネルディスカッションには国、県、市の立場から文化庁の中尾智行・博物館支援調査官、笹本正治・県博物館協議会長、伊佐治裕子・松本市教育長が登壇した。司会を務めた半田昌之・日本博物館協会専務理事は「博物館は観光施設ではないが、博物館の役割をきちんと考え、機能を高めていく中で観光にも地域振興にもいい役割が果たせたという考え方が正しいのではないか」と総括した。
松本市のまるごと博物館構想への着目から大会開催地が決まった。28日は分科会とシンポジウムが、29日は県内各地へのエクスカーション(現地見学会)がある。