財政赤字年4~5億円に 松塩筑木曽老人福祉施設組合第6次基本計画財政見通し 10施設運営継続で
特別養護老人ホーム10施設を運営する松塩筑木曽老人福祉施設組合は21日、塩尻市で開かれた組合議会の議員全員協議会で、第6次基本計画(令和7~14年度)にかかる財政見通しを示した。令和10年度以降に毎年4~5億円、施設再編した場合でも年間1~2億円の赤字となる厳しい見通しを明らかにした。
財政見通しは、10施設の運営を継続した場合と、老朽化が著しい四賀福寿荘(松本市)と木曽あすなろ荘(南木曽町)の2施設を閉鎖して8施設の場合を示した。いずれも財政調整基金が、8年度には年間の運転資金で必要な7億円を下回る見通し。施設再編は7年度中に決定する方針だが、「2施設にとどまるのか」と懸念もある。
松本・木曽圏域の14市町村で構成する一部事務組合で独立採算制だが、物価高騰や人件費の上昇も加味されて厳しい経営状況が浮き彫りになった。構成市町村が財政負担をするのか、組合の運営形態を変革するのかが問われており、構成市町村の協議が必要だ。管理者の百瀬敬塩尻市長は「セーフティネットでもある。(全体が)つぶれないよう努めていきたい」と述べた。
◇組合議会11月定例会本会議では、組合側が提出した令和5年度一般会計決算案が承認された。職員不足による入所制限や新型コロナウイルス感染症の集団感染による受け入れ制限を行い、実質単年度収支は1億4085万円の赤字となった。赤字は平成30(2018)年度以来。