塩尻市の電子入札導入1カ月 浸透に時間 紙入札も当面継続

塩尻市は、10月に導入したインターネットによる電子入札システムについて、今月12日までに4回開札した状況をまとめた。事業者による電子入札の参加率は、「工事」が86%、「委託業務・物品」が41%だ。紙での参加もまだあり、電子化が完全に浸透するにはしばらく時間がかかりそうだ。
市は毎週火曜日に開札している。直近12日は、委託業務・物品が5件あり、参加事業者数26件のうち電子が13件、紙が13件だった。初回の10月15日の20%に比べ上昇した。工事は6件で参加28件中16件が電子、2件が紙だった。
県が従来から実施していた工事分野に続き、8月に委託業務・物品の入札事務を電子化したのを受け、市は工事と委託業務・物品の両方で導入を図り、県などとシステムを共同利用している。4月に市の入札参加の登録事業者約1600社に通知した。本年度の導入経費は1200万円で、年間の運用経費は100万円余だ。
電子入札は場所や時間の制約を受けず一定期間で参加でき、市と受注業者の双方で事務負担軽減や作業効率化が可能だ。一方、参加業者は専用のICカードやカードリーダーの購入が必要で初期投資に数万円かかり、期限があるカードの更新も欠かせない。入札システムの操作に不慣れな経営者もいる。「不落」の場合は、紙に比べ決定までに時間がかかる。
市の年間入札数は工事が100件、委託業務・物品が100件ある。市財政課の増田和久課長は「電子入札100%を目指すが、対応が難しい事業者にも配慮し、移行期間として紙での入札は当面続ける」としている。