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安曇野署が詐欺被害防止へ緊急街頭啓発 1億円超える被害受け、市内5カ所で

特殊詐欺などの被害防止を呼び掛ける署員(原信安曇野店前)

 安曇野市内の60代男性が電話でお金詐欺(特殊詐欺)の被害に遭い、1億円を超える金をだまし取られる事件が発生したのを受け、安曇野警察署と安曇野防犯協会連合会は11日、緊急の街頭啓発をした。管内5カ所の店舗前でチラシを配り、迷惑電話の防止機能を付けるなどの対策を呼び掛けた。

 被害男性は9月下旬、税務署職員、警察官を名乗る男らから電話で「マネーロンダリング(資金洗浄)の捜査対象になっている」などと言われ、指定口座に15回にわたり金を振り込み、1億520万円をだまし取られた。県内の特殊詐欺の被害額としては統計開始以来、過去最高額となった。
 豊科のスーパー・原信安曇野店前では櫻井志郎署長、同署のイメージキャラクター「龍まる君」ら約10人が立ち、来店客に「だまされないように」「家族で話し合ってほしい」などと呼び掛けた。
 同署が今年に入って確認した特殊詐欺の被害は同日現在10件で、被害額は1億4597万円。前年は1年間で3件(被害額275万円)で、急増している。このほかSNS型投資・ロマンス詐欺も6件(同3504万円)発生している。
 県内全域で1~9月に確認された特殊詐欺の被害は156件(被害額5億5605万円)、SNS型が102件(12億8743万円)に上る。県警本部によると、官公庁職員をかたる複数の人物が電話口で役回りを演じる「劇場型」や、副業をうたう広告で金をだまし取る詐欺の手口が目立っている。
 櫻井署長は「年代に関係なく被害者がいて手口も巧妙になっている。人ごとと思わず気を付けてほしい」と呼び掛けていた。